週刊誌の編集長シンポ(勝手に略)おもしろい。

「週刊誌の編集長たちが集まって、週刊誌のこれからを考えるシンポジウム」レポート
が面白かったので、自分用メモ。

フラッシュ「今はエロ本はテープで閉じられるようになったが、その分今閉じられるエロ本は内容が過激になってる。うちの本はそこまでのことはできない。ケータイはケータイで過激なので、中途半端な立ち位置でやらなきゃいけないのも厳しい環境」

ケータイはシャレなってない。
18禁のはずのマンガも、年齢制限なしに普通に買える。
(あれって端末側で契約者情報を踏まえて制御とかしてないよね?)
もちろんモザイク代わりに黒塗りになってるけど、どーなんかなーと思ってしまう。
広告なんかも情報商材とか、メルアド集めのインチキ占いとか、怪しいのが多すぎる。
このカオスっぷりの原因はPCと違って大人が検閲しづらいからだろう。
見てらんないもんw
端末側が最初からフルブラウザ対応で、
ケータイでしか閲覧できないいわゆる「モバイルサイト」がなくならない限り、
法整備した所でこの問題は解決しないんじゃないだろうか。
(まあアドワーズなんかの広告のひどさはPCもだが。いい加減規制された方がいいと思う。さすがにフリーダムすぐる)

フラッシュ「ネットの驚異ということも言われているが、スクープをやっても、発売前日にそれが2ちゃんねるに掲載されてしまう。そのへんも週刊誌の元気をなくしている。というか実売を確実に奪っている」

ネット上での発信力がその雑誌のサイトより、2ちゃんの方が強いのは、もうどうしようもないかと。
そう考えるとひろゆきはトンデモナイものを作ってしまったなw
スクープの要素として、
・事件の重要度
・衝撃性・意外性
・速報性(スピード)
・独自性(自社のみの報道)
があると思うんだけど、どんなに頑張っても、スピードで雑誌は絶対にネットに勝てない。
有料メルマガ作って、スクープを即流すって形でしか、2ちゃんに勝てないだろね。

週刊金曜日「雑誌は何で買われるか。それは暇つぶし。佐野さんの本は俺も持っているが、佐野さんが連載した雑誌は捨てた。今の暇つぶしは何か。ネットかケータイ。暇つぶしのものとしてやっている以上、雑誌が売れるわけがない。今の雑誌のビジネスモデルは終わってる」

週刊金曜日「ただ、ビジネスモデルではなく、雑誌ジャーナリズムが終わっているのか。そこのところはまだわからないし、ここのところを議論していかなきゃいけない」

週刊金曜日がかなり良いこと言ってる。
雑誌=暇つぶし、だからケータイで暇をつぶせる現代には「雑誌が売れるわけがない」てのはごもっとも。
「今の雑誌のビジネスモデルは終わってる」のはまさにそう。
うまくネットと融合しないと、生き残るのは無理でしょう。

SPA!もなかなか良いことを言ってる。

SPA!「広告に効果があるのかということが問われてる。本当は広告効果なんて大してない。それを代理店と我々がクライアントを騙してきた」

CMの6割、視聴者の心に届かず…好評価トップ「白戸家
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20090514-OYT1T01242.htm
という記事があるが、まさにこれ。
正直だね。でもこんなこと言って大丈夫?w

SPA!「最近は単行本の搬入量が非常に増えてる。雑誌は赤字だが、雑誌によって成立した書籍が黒字を出している。今どこで増やすか。書店やコンビニで売るのを頑張っても劇的に販売するのを増やしてもしょうがない。結局はウェブやケータイで優良販売を考えなきゃいけないだろう」

優良→有料のtypoかと思われ。
webで記事の切り売りしてく形になるだろうね。
雑誌はなくなっても、雑誌的ジャーナリズムはなくならないと思う。
新聞も雑誌も、その「形」にとらわれすぎて、本質を見誤ってると思う。
メディアとしての新聞や雑誌での表現方法ってのはもちろんあるんだけど、
取材→執筆という部分こそが、ジャーナリストの本質だと思う。

SPA!「記事や作ったコンテンツにお金を払って読む習慣を持っている読者を持っているということはものすごい強いことだと思っている」

ここなんだよなあ。
ネットは無料のものが多すぎる。
かといって、有料のものにどこまで金が払えるか。
たとえば講談社の雑誌全部読み放題で月額1000円ってサービスが立ち上がったとしても、
光文社も小学館もやり出したら、それぞれ1000円払うなんてさすがに出来ない。
個人的にネット上でもっと金のやりとりがされるべきだと思ってるので、
ここは頑張って欲しいところ。

SPA!「うちのデジタル部署の動きを見てこれはないな、と思ったのはSPA!のデジタル記事を扶桑社のウェブサイトで売っていたこと。だけど、扶桑社そのもののファンなんてのはいない(会場笑)。そもそも売る場所を間違えている」

試しに見たんだが、
http://spa.fusosha.co.jp/
グラビアン魂が400円なんだけど、雑誌の値段より高くね?誰が買うの?
http://spa.fusosha.co.jp/spa0009/grabian.php

SPA!「ケータイやネットの中に、雑誌売り場のようなものを作らなきゃいけないんじゃないか。SPA!だけでは厳しい。ネットやケータイの中にそういう場を作れば、今まで届きにくかった人に届くんじゃないか。ただ、ここ3年くらい20代の読者が目に見えて減っているのは確か」

これは速いところなんとかして欲しい。
「雑誌売り場」という形が適切だとは思えないんだけど。
先ほども書いたけど、一社だけでなく数社をまとめて、
各雑誌の記事を〜50本/月1,000円、100本/月2,000円とか、そういうバラ売りになるんじゃなかろうか。
で、それをまとめてるサイトが儲かると。
「記事」自体への興味になるから、「雑誌」て枠組み自体がネット上ではあんま意味ない。
そもそも雑誌なんて隅から隅まで読むもんじゃないでしょ?
もちろん、興味ある記事の他に連載のコラムなんかをついでに楽しむ、てのもあるけど、
そういう「今までの読み方」はネットではなくなっていくだろう。

田島「今の若い学生は週刊誌なんか見ない。新しい技術を加えていくということが我々の社会には大事。右であれ左であれ、やり方がどうであれ、新しいものを作っていかなきゃいけない。情報を隠したがる部分に切り込んでいって情報を出すというところには応援をする」

まあネットで十分というか、ネットでも情報がありすぎるくらいだからね。

なんか前半って、オッサンどもの武勇伝自慢大会になってね?
どこそこから訴えられただの、なんだのと、

佐野「(前略)おまえら泣き言いうな。僕はかつてダイエーから2億円で訴えられた」

田原「メディアが訴えられるなんて当たり前だ。何恐れてるんだバカ」

だとか、プライドを持つのはいいんだけど、老害乙、と思ってしまう。


個人的に雑誌自体は減ると思うし、オッサン向け週刊誌は淘汰されればいいと思うんだが、
ジャーナリズム自体は絶対なくなって欲しくない。
だから新聞も雑誌も、ネットのビッグウェーブ(笑)に飲み込まれずに、
うまく舵を取って形を変えて生き残って欲しい。


しっかし津田さん、話聞きながらタイピングしてしかも140文字でまとめるって、あなたは神ですか。