7つのストイックな特徴があるInstagramが3ヶ月で100万ユーザーを突破した件

今回のバージョンアップ(1.10.1)で一通り日本語化がすんだiPhoneアプリInstagram」。
Twitterでも2年以上、foursquareでも1年以上かかった100万ユーザー突破を、たった3ヶ月でなしえたという報道がありました。

Twitterユーザーの方なら、最近「フォトを共有しましたhttp://instagr.am/〜」というツイートを見かけることが多くなったと思います。
あくまで個人的な観測範囲でですが、foursquareの時も一部のクラスタに爆発的に流行ったけど、それ以上に広い範囲で使ってる人が多い印象があり、特に新しモノ好きな人だけでなく使ってるように思えます。
自分の居場所を知らせる位置サービスと比べたら、そりゃあ敷居は低いですねw


Instagramが何かとひとことでいうと、iPhone専用の写真専用SNSアプリなんですが(Android版の予定も当然あるようです)、面白いのが、用意された11枚のフィルターを使って、誰でもトイカメラで撮ったようないい感じの写真が簡単にアップ出来る所です。

ボタン一つでちょっとオシャレな写真になる。さらに、SNSなのでフォローしあうこともできるし、「いいね!」で共感を示したり、コメントも残せます。TwitterFacebookにも流せる。誰でもカメラマン気分が味わえる(?)面白いサービスで、わずか開始1週間で10万ユーザー突破というのも、頷けます。
プリクラ文化のある日本からでてこなかったのが不思議なくらいです。ケータイでは友達同士など人物の撮影が多くなるからかもしれませんが(実は似たサービスがあったら、ぜひ教えてください)。


が、Instagram「なんでこれができないの?」と思うような点がけっこうあるのです。
単純に「(webが基本となる)TwitterFacebookと比較して」なので、「写真」を「iPhoneで」見るというサービスとしては、設計思想が違っていても当然だとは思います。
逆にそういった「あって当然の機能がなくても、アイデア次第で流行るサービスは流行る」といういい例だと思うので、Instagramの非常にストイックな特徴をを列記してみます。
当然現状での仕様なので、今後どうなるかはわかりません。

1.RTなどがなく広まりづらい。

「いいね!」ボタンはあるのですが、Facebookの「いいね!」とも違って、自分のTLに流れるわけではないので第三者に広まりません。また、TwitterのRTのようなものもないので、フォローを増やす・「いいね!」を押しまくるなどの方法でしか、第三者に見てもらう機会が発生しづらいです。
もちろん人気の写真を集めた(基準は不明)「ポピュラー」に載れば、フォロワーが増えるのでしょうけど、なかなか難しそうです。
Twitterfacebookから友人を探してフォローできますが、Instagram内では、人気写真のページ「ポピュラー」に載るか、地道に「いいね!」を押すことで、フォローを増やしていくしかなさそうです。
(このサービスに於いてフォローを増やすことが重視すべき目的なのかというと、ちょっと違う気もしますが・・・)

2.プロフィール文・アドレスがない。


これ、プロフィールです。アイコンとユーザー名、写真の投稿数(フォト)、フォロワー、フォロー中のユーザー数、以上。
コメントはつけれないし、外部サイトへのリンクもできないので、Instagram内から外へ広げるのが難しくなります。もちろんTwitterFacebookへpostすることはできるのですが、Instagramからは、気に入ったユーザーのサイトを見ることができないのです。もちろんユーザー名で検索するなどすればいいのでしょうが、それもねぇ。
これは逆にspamアカウント対策になるのかもしれません(画像メインだから、アダルトサイトなんかがワンサカ湧きそう)。

3.「いいね!」を後で見られない。

他のユーザーの写真に「いいね!」をしても、その履歴=「お気に入りアルバム」が作れないのです・・・。iPhoneから画像を保存することもできません。そのうちアップデートで対応するのか、有料で対応するのでしょうか。

4.リストがないから、フォロー増やすと、見たい人の写真を見づらくなる。

これはTwitterなんかでも、フォロワー数が増えると、たとえばDMを送りたいときに特定ユーザーを探すのが難しいのと同じですが。フォードに流れてる写真から、そのユーザーの写真のみを見ることもできますが、フォロー数が増えると、特定ユーザーは見つけづらくなります。
僕は「いいね!」を押してもらってたら、そこから特定ユーザーに行き着くことが多いです。

5.「いいね!」にアイコンがないから、アカウント名を覚えるしかない。

昨今のWebサービスとしてはアイコンがないのは珍しいのでは。僕は名前を覚えるのがニガテで、Twitterでもアイコンで認識してることが多いです。

6.いいね!の総数がわからない。

これは個人的に気になったのですが、各写真ではもちろん「いいね!」のクリック数がわかりますが、じゃあ今までの「いいね!」の総数は・・となると、わかりません。「いいね!1万越したぜヒャッホー!」みたいな喜びや、「あと少しで1000いいね!になる!」ていうモチベーションは発生しづらくなります。
最近iPhoneのスパ4がGameCenterに対応して、投げ技30回決めたら「投げ技の名人」って称号とポイントもらえる、ていう仕組が出来て、うまいなぁと思ったのです。
他にもいろんな条件があって、それをクリアすればそれに応じた称号がもらえるんですが、月額課金制ならずっと同じゲームをやり続けるモチベーションになります。フルコンプ的な意味で。
話が横にそれましたが、Instagramでじゃあ「写真の名人!」みたいな称号があった方がいいのかっつうと、また別でしょうが、「情報に付加価値を与えて継続性のモチベーションにする」てのは結構重要な点だと思うので、気になった所です。

7.Web版が写真見るだけ。

一番変なのがこれです。
実際に見てみましょう。ここをクリックしてください。うちのかわいいぬこ殿です。



・・・この写真を見たあと、あなたは何をしようとしましたか?それはできましたか?
あ、タブを閉じたとか悲しいこと言わないで!(´;ω;`)
僕なら気に入った写真を見たら、ユーザー名かアイコンをクリックして、そのユーザーの他の写真を見ようとします。
が、クリックしても無反応・・・。


え(; ・`д・´)


Twitterfacebookなどのソーシャルボタンはありますが(はてブもあるよ!!)、その1枚の写真を共有すること以外できないのです。
あ、あとInstagramユーザーなら、自分のプロフィールの変更ができますし、iPhoneから見てたら、AppStoreからInstagramをダウンロードできますけど。
あ、当然パソコンから写真のアップもできません。


iPhoneだとディスプレイのサイズが小さいので、インターフェース的な限界からある程度制限があるのはわかります。それをWeb版でいくらでも補完できるはずなのに、それを一切しないどころか、写真を見るのとログインしかできません!なんとストイックな!!
ユーザーの写真一覧webから見たい!フォローしたい!その人のフォロワーも見てみたい!
でもできません。


たとえばツイットピクみたいにユーザー名をクリックしても、そのユーザーのマイページにはいかないから、そのユーザーのほかの写真を見ることもできないのです!! 当然webからそのユーザーをフォローできません。
今の所フィルタの都合もあるのかiPhone専用なので、たしかにweb(=PC)からのアクションは重視してないのでしょうが、それにしてももうちょっとなんとかならんのかなーと思います。

まとめ 逆に凄いよね。

散々書きましたが、一ユーザーとして批難するというよりは、単純に「これだけストイックでも、ユーザーには受け入れられるんだ!」という驚きの方が強いです。iPhoneアプリの方が多機能・web版は見るだけという逆転現象も興味深いです。
これはwebサービス制作者だけでなく、iPhoneアプリ開発者も注目すべき所かと思います。


ストイックと言う点では、Twitterもリニューアル前は写真がクリックしないと見られないなど、使い勝手としては不満がある部分は多くありました。Twitter自体のサービスよりもAPIを使った他のwebサービスのおかげで、Twitter自体の利便性が拡張されている所をみると、InstagramAPIの公開を予定しているようなので、今後が楽しみだとも言えます。


コンセプトとしては「iPhoneで撮った写真をアップする」というのがあるのでしょうが、当然一眼レフで撮った写真をアップしているユーザーも多くいます。iPhoneからアップするだけでなく、web(PC)版の充実を図っても良さそうなものです。
web制作者なら思うでしょうけど、自分がInstagramの中の人だったら、web版はもうちょっと充実させてからリリースしませんか・・・?


異常にストイックなこのinstagram、まあ特別すぎる例だろうけど、WebサービスiPhoneアプリを作る人はアイデアだけでここまで行けるという参考として、必見でしょう。iPhoneユーザーは是非やっておきましょう。すごさがわかります。
あ、ちなみにTwitterのアカウントはtake_it02Instagramはtake_itでやってます。
よろしかったらフォローしてやってください。