長文をWEBに載せるなら、ページを分割して見出しを明確にしよう。

どうしてブラウザで長文が読めないのか

今回はスクロールという機能に限定して、考えてみましょう。

とあるので、ある程度限定的な話になっていくのは仕方がないんですが、
頭でっかちな考え方になっていて、正直的外れな話になっているように感じられます。
まあ上記の出発点が、僕からすると違和感があるのですが
WEBデザインをやってる人間としては非常に納得いかないので、反論してみます。
なお、青空文庫のような小説に限定するのではなく、
WEBでのテキスト一般(WEB用に書かれたもの)について述べます。



そもそも普通のHPのコンテンツと、例に挙げてるような青空文庫の「小説」は、
コンテンツとして性質がまったく別モノなので、同一に語れません。
(というか青空文庫の小説は、当然のことながらWEBで読まれることを前提として書かれていません)
まあ百歩譲って「とにかくWEBでは長文が読みづらい」っていうんなら、
ドグラ・マグラ』だろうと『非現実の王国で』でも『大菩薩峠』でもいいんだけど、
ペ ー ジ を 分 割 し ま し ょ う よ。
それにWEB上で長文を読みやすくする技術は、当然あります。
ではそのWEB上での可読性を高めるための技術から説明します。




誠 Biz.IDが見せ方が非常にうまいので、それを例に説明します。
「離婚」「別れる」もOK!? 忌み言葉に振り回されない結婚式スピーチ術


タイトルとページ数、概要が掲載されている

そのエントリのタイトルが明記されているのは当然ですが、
「(1/3)」とページ数が明記されており、
さらに

過ごしやすい季節だからでしょうか、結婚式も春と秋が多いようです。結婚式と言えばスピーチ。頼まれて頭を抱えている人もいるのではないでしょうか。

と簡単な概要があり、どんな内容なのかが非常にわかりやすくなっています。
これによりタイトルだけで釣られたとしても、
概要が分かるため、読者が最後まで読んで「なんだ俺にはどうでもいい内容だった」と
ミスマッチを防ぐことができます。


文章の論理構造が明確


見出しの部分がh3になっていて、
フォントサイズを大きくするなど、本文とのデザインの差別化をしています。

Yahoo!ニュースで4スクロールぐらいする記事のコメント欄で
「長すぎて読む気しない!」と一見幼稚なコメントが付くのは、実は的外れではありません。
Yahoo!ニュースの場合、そういった見出しのデザインが無視されるため、
余計読みづらくなっているからです。
800文字の記事でも、見出しによって3分割されていれば、
一気に800文字読むのと、約230文字×3で読むのとでは、後者の方が心理的負担が少なくなります。
WEBでの長文を読みやすくするのに、見出しのデザインは非常に重要です。


次ページの見出しと、現在・残りページを記載する


現在のページと残りページを記載するのは当然ですが、
次ページの見出しを載せているのが、非常にうまい方法です。
これにより読者は次のページの内容がどういったものかを理解した上で、
次のページに移動することができます。
逆に「これ以上読まなくていい」という判断も可能です。



長文を読みやすくするための工夫がわかったところで、
元エントリへの具体的なツッコミをします。

スクロールバーから得られる情報が少ない

ページを適宜分割すればさほど問題ありません。

コーディング業者を調べてみるとわかりやすいのですが、
印刷時にA4サイズ1枚を1ページとしてたり、
高さが1500px〜2000pxで「1ページ」と計算していたりする所が多いです。
*1

そもそも普通に考えて、11万字のページなんてありません。
例に出してた『野分』を調べてみると、
WebCapでも「このコマンドを実行するのに十分な記憶域がありません。」
とエラーが出るし、
Pearl Crescent Page Saver Basic2.1でも
47000文字くらいと半分程度しかキャプチャができません。
これが何を意味しているかというと、純粋なテキストのみのページでも、
11万字もの文章はWEBでは想定されていないということです。
キャプチャできた部分でも32767pxと、1ページを2000pxとしても、
16ページ分くらいあるわけです。そりゃあ、読みづらくて当然です。

しかし時間を消費者がコントロールするコンテンツの場合、特にテキストは、時間を把握することが困難です。

元エントリでも書かれていますが、

映画というものは、慣習としてだいたい 2時間程度だと知っているからです。普通は映画ひとつ見るのに、10時間以上かかるとは考えません。

とあるように、
WEB上の文章も、長くても10分程度で読み終えるでしょう
(ちゃんと図ったことはありませんが、感覚として)。
2ちゃんのコピペブログなんかは、たしかに時間がかかりますが、
まさか1ページ読むのに1時間かからないでしょう?
(僕は本文のみでコメント欄は読んでいませんが、
 コメント欄まで読んでもさすがに1時間はしないと思います)

長文が掲載されるとそれぞれ好き勝手に分割されてしまう
こちらは読み手側の不便、別に長くもない文章が、勝手に分割されてしまいます。

そもそも長文になる場合は、ページを分割しましょう。
もちろんMSN産経ニュースなんかで
何故ページを分割しなきゃいけないのだろうと思う記事もたまにあります。
これはページを移動する必要性が理解できないので、鬱陶しい。
が、ある程度の長文になるのであれば、適宜見出しをつけ、
ページも分割した方がユーザーは読みやすくなります。

公開できない
誰も読まないから公開しても無駄です。これってもったいないですよね。

公開はできます。
無駄かどうかなんて言い出したら、たいていのブログは無駄でしょう。

コンテンツの種類が減る
本来は誰かによって書かれ、公開されていたはずものが、環境の制約によって、消えてしまいます。
また公開されているものも、消費される機会が減少してしまいます。
もったいないですね。

例に出されたような『野分』のような長文も、
Windeows95の頃だったら、マシンのスペックの問題で、
読み込み途中でブラウザやOS自体がフリーズすることが良くありました。
これこそいくら公開していても読み手側がダウンロードできないので、
実質『公開できない(できていない)』し、誰も読めません。もったいないです。
が、今では2ちゃんのコピペブログや情報商材のページのように、
ウン万pxあるページも、問題なくダウンロードできるように、各種環境が整ってきました。
コピペブログの登場のように、コンテンツの種類は増える一方です。



まとめると、WEBライティングという考え方が考慮されていません。
もちろん書き手側すべてがWEBライティングのノウハウを体得しているわけではないし、
たとえば雑誌に掲載されたものをWEBで再掲載する場合もありえます。
ただ、WEBならWEBの見せ方というのがあります。
本でもそうですが、改行を適宜いれないと非常に読みづらい文章になるように、
WEBでもそういった工夫が必要です。
WEBのテキストを読みやすくするのは、書き手次第です。


:追記:
id:kono1さんから指摘を受けて、タイトルを
 長文をWEBに載せるなら、ページを分割して見出しを明確にしよう。
に変更しました。ありがとうございます。
typoの指摘は僕は非常に喜ぶ方なので、その他あったら頂けると助かります。
(つうかWEBライティングがどうのこうのいいつつ、タイトルを間違えるとはどうよ、俺)