企業がtwitterをやるなら、フォロワーをファンにしよう。

恥の上塗りを覚悟の上で、新たにauの件を含んで、twitterについてに書きます。
ブコメで頂いた意見に対しては前回のエントリに追記した
http://d.hatena.ne.jp/take-it/20091019/p1
ので、
そちらも目を通していただけると、より理解していただきやすいと思います。


まずごめんなさい!

disり過ぎた!
前回の反省から。
disりすぎました。それはごめんなさい。

ブコメでもありますが、
id:acealpha氏の

twitterは流行ってるみたいだからやっとけ,twitterってメルマガみたいなもんですよ,といっているコンサルが裏にいるのが見えるのが気に食わない!

まさしくこれ!
僕がまず批判したいのはauではなく、(いるとすれば)コンサルです。

完全に個人的な話で恐縮ですが、以前独立してみてわかったことというエントリでもグチってますが、営業会社とかインチキコンサルとか、そういう口の上手い輩には非常に強いアレルギーがあります。
(幸運なことにうさんくさいコンサルとは関わり合ったことはありませんが)

どっかの広告代理店かなんかが「今流行のtwitterで実況中継しましょうよ!」ってauをそそのかしたとすれば、auはそいつにバックドロップ喰らわしていい。
もし社内からの声だったら、ご愁傷様としか言いようがない。
http://d.hatena.ne.jp/take-it/20091019/p1

と自分で書いていますが、いるかいないかわからない広告代理店という見えない敵と戦っていて、変に感情的になりすぎていて、

大企業がやるtwitterとしては、とてもではないがお粗末もお粗末で、見てる方が恥ずかしくなるレベルだった。
auのwebプロモーションとしては黒歴史モノだ。
http://d.hatena.ne.jp/take-it/20091019/p1

という発言などが出ました。
disりすぎました。ごめんなさい。


断言しすぎた!

そもそもな、( )なんていらないんだってw
いいんだよ、@au_official、俺はお前の生の声が聞きたいんだよ!
twitterってそーゆーもんなんだってばよ!

まあこれは単純に感情論的なものですが、

コミュニケーションをとらないなら、twitterやる必要なくね?

twitterの企業公式アカウントの活かし方は、企業の看板を背負った上で、いかに一ユーザー(一個人)としてフォロワーとコミュニケーションをとるか、という所にある。
それをしなければ@au_officialの二の舞になるだろう。

完全に前言を翻す形になりますが、別に必ずしもコミュニケーションとらなきゃいけないわけではありません。
後半のbeBitの例を出すためにわかりやすい結論を持ってきたんですが、単純に断言し過ぎたと思います。

Twitter をいかにビジネスに活用するか?〜国内外の活用事例とその分類にもありますが、セール情報を流したり、はてブのようにAPIで自動的にRSSを流すだけのも当然アリです。
こういったtwitterの利用方法を否定しているわけではありません。



自分から@すりゃいいじゃん

個人的にはtake-itさんのエントリは良い事を書いていると思うのだけれど、それはそれとしてコミュニケーションを求めるなら自らも行動すべきなんじゃね?と思う。@が欲しかったら自分から@するべきだと思っていたけれど違うのでしょうか。
@au_officialのpostからソーシャルメディアに於ける失敗事例を学ぶ
http://d.hatena.ne.jp/ululun/20091020/1256000409

と、id:ululun氏から鋭い指摘を頂きました。
コメント欄で長々とお答えしましたが、
要約すると、

雰囲気的に固くて、あまり話しかけようとは思いませんでした。
@au_officialがフォロワーとのコミュニケーションを望んでいないなら、それは成功ですが。
(中略)
企業アカウントの場合はならおさら、@はしづらいのではないでしょうか。
企業じゃなくても、広瀬香美さんのような有名人に対しても、@はしづらいです(人によるかもしれませんが)。
となると、企業アカウント側が、@をしてもらいやすいようなフレンドリーな発言であったり、
ハッシュタグへのpostを拾って、そこからユーザーに企業側から@をしたほうが、
フォロワーが「@してもいいんだ」と理解しやすいかと思います。
http://d.hatena.ne.jp/ululun/20091020/1256000409#c

と、企業から、ユーザーのいる位置に「降りてくる」作業がまず必要だと思います。


twitterではどう捉えられたか

前回のエントリの反応
そもそもtwitter自体が初心者には敷居が高い部分があり、その楽しさ・便利さを理解するまでに時間がかかります。
ので、twitterをやってない人には「なんのこっちゃ?」と思われても仕方がないのはあります。
そこでtwitterでの反応を見てみるとtwitterでは、もちろん「言い過ぎ」と言う意見もありますが、はてブよりは反応は良かったので、
実際やっているユーザーからすれば、納得できる部分もあったようで安心しました。

これを見るに、将来twitterが充分成長したら「twitterリポーター」として生計を立てられる人がでてくるといいと思った。
http://twitter.com/sonohoka/status/5012726890

と、sonohoka氏が非常に興味深いこと発言をされている。
「HPなら誰でも作れる」とのと同じように、
後述しますが、実は実況に関してはそれなりにスキルが必要になってくるので、
レビュワー・ブロガー的な立ち位置として、
たとえばスタパ齋藤氏がtwitterで実況をするというのは非常に魅力的かもしれません。


僕のエントリをきっかけに@beBit_Japanを知って、followしてくれた方もいて、
恩返しというのも変だが、少しはbeBitさんのお役に立てたのではと思う。
(まあ炎上したエントリで言及されてても、ちょっと困るかもしれないがw)

すでにご覧になってる方も多いと思いますが、
昨日IDEA*IDEAで@beBit_Japanのなかの人にあってまとめたエントリがあります。
必読です。
@beBit_Japanの「なかの人」にいろいろ聞いて勉強になった件
http://www.ideaxidea.com/archives/2009/10/twitter_and_bebit.html


ちょっと話がズレますが、
個人的にはてブでコメントをする場合、まず(当然ですが)自分の意見をまとめます。
たとえばそのエントリに対して違和感を覚えたとして、何がおかしいのかを考え、自分が賛成なのか反対なのか立場を決る。
その上でコメントをみて、世間一般(といってもはてなーの)の反応を見るようにしています。
ブコメの雰囲気が悪いときは賛成でもちょっと書きづらかったりとか、多少はその「場」の影響はあります。
逆にだからこそ敢えて賛成を言えばウケがいいんじゃなかろうかとか考えたりも。
あ、ブコメでスターもらうのは僕の密かな楽しみなんでw
ブコメはその「場」の雰囲気がありますが、
twitterだと各自のTLで同時多発的に異なる場所でRTされるので、
「一定の場」というのが作られづらいため、
場の雰囲気に流されない直接的な意見が収集できるのかも、と思いました。


ともあれ、結果として、はてなダイアリーで書いているならなおさら、
はてなーに共感される形でエントリを書けなかったという意味では、
autwitterユーザーに共感される形で実況を出来ないのと同じ失敗をした事になります。


@au_official、#au_official2009への反応
企業の公式アカウントならともかく、面識のない一般ユーザーのコメントを引用するのは
個人的には気が引けるのであまり引用はしませんが、
#au2009を見ている限り、
コミュニケーションをとらないことや、実況の内容が薄いことへの不満がこれでもかというほど出ています。
au自体への批判や、新機種への批判はまた別問題ないので、ここでは触れません)。
ざっとまとめると、
・写真がない前半は「なんで写真や動画ないの?」、
 写真が後半は「端末自体ををもっとアップで見せて欲しい」
twitterでやる意味がわからない
Twitter中継で15分黙ったら放送事故。
・#au_official2009がフルボッコすぎ(これは端末やサービスへの評価も含めてでしょうが)
・ 「バビョーン!」 が意味不明。
(僕はテレビを持ってないので、CMを知りません。
 てっきりCMでやってるネタで笑いをとろうとしたのかと思ってたら、
 唐突すぎて誰にも通じてなかったという・・・。
 ちなみに「バビョーン」はコレ
twitterから質問できないの?
・(発表会終了後)「これで終わり?」「もっとつぶいて欲しい」「継続して欲しい」
(これはプロフで「期間限定」など明記していないのが原因です。中途半端な印象を与えてしまいます。
 期間限定なら期間限定と、明記しておくと、ユーザー側もきっちり名残を惜しむことができるでしょう。
 立つ鳥跡を濁さずです)


そもそもiPhoneユーザーの多いtwitterで、
スマートフォンのない新作発表会の実況は、失望されざるを得ないというのはあるにしても、
twitterの利用方法にまでダメ出しが多々出ているというのは、
テレビで言えば「CMダサくない?もっといいタレント使えよ」と言われてるようなものではないでしょうか。


端末への失望とtwitterの利用方法に関しての声を明確に出来たという点では、
auにとっては、メリットはあったといえるかもしれません。
twitterの文化(笑)」と言われましたが、
文化という表現でなくても、
twitterでやる以上、ターゲットであるtwitterユーザーにウケるアプローチは必要でしょう。
それがフォロワーとのコミュニケーションであるのは、日産の例を見てみればわかりやすいです。


一方、日産は大好評っぽい。

ちょうど前後して東京モーターショー2009が行われ、日産が@NISSAN_TMSとしてtwitterを活用しています。
https://twitter.com/NISSAN_TMS

初期の方から紹介しますが、後からTLを見るだけでも非常に面白いです。
さっそく粒谷区に転入希望していたり、

NISSAN_TMS@2289staff 会社でも転入可能でしょうか? #2289link

iPhoneの誤変換もそのままネタになっていて、

NISSAN_TMSぜひぜひ!日産は東ドイツブースですよ!RT @raison_shzk: @NISSAN_TMS ワクワク感が伝わってきますねー。私も行きたい!link
NISSAN_TMS間違えました。日産は東ブースです!東ドイツではありません。東ドイツブースではありません。RT @raison_shzk: @NISSAN_TMS ワクワク感が伝わってきますねー。私も行きたい!link
非常にフレンドリーです。

肝心の実況も、auと違い「誰が話してます」だけでなく、内容を伝えています。

NISSAN_TMS「日産は電気自動車ラインアップを揃える計画ですが、いずれも量販を前提としています。環境に配慮したクルマを手頃な価格でご提供することで、世界中の様々なお客さまに魅力を感じていただけることでしょう」 #tms09link
NISSAN_TMS「日産の電気自動車の購入価格と維持費の合計は、同クラスのガソリン車と比べても引けをとりません。また、性能、居住性、快適性、安全性、品質においても他の日産車と同じ高いレベルを実現します」 #tms09link
NISSAN_TMS「日産の電気自動車ラインアップには、既に予定されている3車種に加え、4車種目のコンセプトを検討中です」 #tms09link

回答こそ翌日になったものの、質問も受け付けています。

NISSAN_TMS【速報】電気自動車LEAF(リーフ)の開発者に後ほど話を聞けることになりました。せっかくなので、皆さんんから質問を受け付けてみたいと思います。11時までと短い時間ですが、何か聞いてみたいことがあればどうぞ! #tms09link
NISSAN_TMSお待たせしました!ここから、昨日お寄せいただいた質問についての回答をお届けします。いただいた質問で、現時点でお答えできないものもあるので、現時点で可能な限りの情報となります。あらかじめご了承ください。 #tms09 #evlink
これはかなり重要なポイント点で、
twitterの実況となるとどうしてもリアルタイム性ばかりが重視されがちですが、
時間差があってもコミュニケーションをとる意志があることを明確にするのは、
無理のない実況のためには必要でしょう。


撮影のリクエストまで受け付けているし、

NISSAN_TMS本日公開した公式サイトでは、みなさまからの撮影リクエストも受付中!撮って欲しい写真があったらサイトからリクエストくださーい!代わりに撮影しちゃいます!link

なんと、tumblrまで使っています!
非常に見やすい。
http://nissan-tms.tumblr.com/

動画もある。

NISSAN_TMSiPhoneデモ動画その1 #tms09 http://twitvid.com/E2779link

動画やらtumlbrまで使いこなせとはいいませんが、
実況としては、非常に良い見本であるといえるでしょう。
だって、何より楽しそうだから。


2ちゃんのまとめサイトじゃないけど、
リアルタイムでなくても、後からTLだけ追っても楽しめるTLを作れれば、
その実況は成功したと言えるかもしれません。
実際個人的には日産に対する好感度は非常に上がりました。


以前僕は『twitterは「場がない」』と書きましたが、
企業アカウントは、「いかに場を作るか」というのが重要になってくると思います。
その場は、つまりフォロワーとのコミュニケーションを通じて、
フォロワーと一緒に作り出す「場」です。
それはTLだったりハッシュタグだったりしますが、
自社アカウントを中心とした人だかりを作れるかというのは、ポイントになります。

東京モーターショー2009中は実況してるようなので、日産のフォローはこちらからどうぞ。
http://twitter.com/NISSAN_TMS


twitterは「ファン」を作れるメディア

古い話題で申し訳ないんですが、
任天堂のちょっと良い話なんかを読むと、
情に流されやすい僕はすぐ熱くなって、任天堂の「ファン」になってしまいます。


この話が感動するのは、
「あの任天堂が一個人に対してここまでしてくれた!」っていうサポートの丁寧さ・情の厚さにあると思います。
ただ、たとえば2ちゃんや個人のブログなどで、
「こういう体験をした」「こういう話を聞いた」と、
なかば都市伝説的に語られている点が、信憑性としては薄くなってしまうのは否めません。


が、twitterだとそのままTLがログとして残ります。
というか、(おおげさにいえば)リアルタイムで「伝説」が生成される。
僕もあなたも、伝説の目撃者になれるし、もしかしたら自分自身がその体験をするかもしれない。
twitterはリアルタイムでオープンなメディアだからです。


直接の対話、手紙、電話、メール、チャット、
様々なコミュニケーションの手段がありますが、基本的に1対1のやりとりとなります。
セミナーなんかでの質疑応答は1対不特定多数ですが、
それがその他のメディアで報道されない限り、その場だけでしか共有されません。
ですがtwitterならTLを確認すれば、
(ダイレクトメッセージでなければ)すべてのやりとりが誰でも閲覧できます。
@での返答は1対のコミュニケーションであるようで、
実はその企業の顧客への姿勢を示す、その他大勢への間接的なコミュニケーションでもあるのです。


まあ伝説云々は極論として、でも「あ、この企業ってこんないい会社だったんだ!」と
思えるようなコミュニケーションをとるのは、twitterが最適ではないでしょうか。
それはCMなど広告の「作られたイメージ」ではなく、
企業、いや社員そのものの、ありのままの姿だからです。


コールセンターにかけたときのような、無個性な識別記号でしかない名前の対応よりも、
たとえ名前は直接名乗らなくても、
twitterで行われているような血の通った感情を感じさせるコミュニケーションは、
企業と人との関わり合い方を変える可能性があります。
それはどんなタレントがCMをやるよりも、ユーザーの企業に対する好感度を向上させるのではないでしょうか。


id:kkobayashiから

こえー。声優ラジオのトークにダメ出しする人みたいだ・・・。

というコメントを頂いたのですが、
最初ピンとこなかったものの、@kohmiのpostを見ていて「ラジオっぽいな」と感じたのを思い出して、
しっくりきました。
@kohmiはラジオ番組のパーソナリティーのような形で、
ハガキを読むような感じで、フォロワーのpostを拾ってコミュニケーションをとっています。
声優ラジオのリスナーが主にファンであるように、
フォロワーはいわばその企業アカウントの「ファン」と言い換えてもよいでしょう。
ではそのファンに対して、どういうコミュニケーションをとれば、
ファンはより自分のことを好きになってくれるか。


ちなみに、はてなハイクだとフォロワーはファン、
フォローしあってる関係をフレンドというのですが、そう考えると言い得て妙です。
ファンという一方的な関係から、フレンドという対等な関係へ。

実際僕も、beBitとのやりとりで、ファンになりました。


実況はチラシではないので、商品のスペックやセール情報を垂れ流すだけでは意味がありません。
テレビの実況レポートだって、スタジオの司会者がいわば視聴者の代表として、
レポーターに質問を投げかけますが、
twitterならフォロワーが生の声を直接そのアカウントに対してつぶやけるわけです。
逆に言えば、それを無視し続ければ、当然その企業への好感度は下がることになります。


企業のtwitter利用のメリットとして、
フォロワーとの密なコミュニケーションを通じて、ファンを生み出せると言う点があると思います。
今までの雑誌の広告、テレビCM、webでのキャンペーンなどでは、
「おもしろい」「かっこいい」という一種憧れは抱けても、
「広告自体でファンになる」ということは、難しいかと思います。
たとえばプロジェクトXのようなドキュメンタリーであれば、
企業のチャレンジを掘り下げて人間ドラマを浮き出させることで、ファンを生み出せるでしょう。
そこまでしなくても、「ドラマ」ではない「日常」としてのtwitterでのコミュニケーションは、
個性が出やすいという点で、twitterは非常に人間的なメディアといえるかもしれません。


蛇足その1

id:seriesさん

こんなにも「お前は一体何様だ」と思わせる記事に出会ったのは初めてだ

誉め言葉として受け取っておきますw
実はCGMマーケティング(ツイナビの運営会社)の中の人だったら?
「ふしぎ!抱いて!」(違


んなこたぁなくて、(そこまでチェックしてるかわかりませんが)僕はプロフに書いてるとおり、
フリーのWEBデザイナでしかないんですが、
別に僕が誰でもよくないっすか?それよりまずはエントリの内容自体に対しての批判が欲しいです。
いや、その意見が「何様?」なんでしょうが。
ただ、僕はなんかの拍子にあなたが「このエントリいいじゃん!…(名前見て)うあ、take-itかよ。やっぱヤダ」って、
悔しがるようなエントリを書きたい。


蛇足その2

さらに蛇足だが。言葉遊びになりかねないが、パラドックスとかメタとか好きなんで、よけい気になった。
「叩きすぎ。auは次頑張ればい良いだけ。」
叩きすぎ。take-itは次頑張ればいいだけ。
失敗した奴を叩く、という構図がau→take-it、take-it→ブコメと、いう点でまったく同じ。
まあこのエントリがまた見事に炎上したら、
「take-it m9 (^Д^)プギャー!!」なわけだが。。。


twitterで何やろうが自由でしょ?勝手に決めつけるな。
僕が勝手にあーだこーだ言うのも含めての「自由」ではないんだろか。
「自由」ってもっと懐の広い概念だと思う。
「自由」とか「正義」とか「愛」とか「愛国心」とか、そういう大義名分に使われがちな言葉って、
自分の主義主張を絶対化して相手に犠牲を強いるために使われることが多い気がします。