Ustreamが世界を変えうる4つの理由
ソフトバンクが出資したということでより注目を集めているUstream(以下Ust)だが、
うまく広まればYou tube以上に世の中を変える可能性を秘めていると思うので、
その可能性を簡単にまとめてみる。
正確に言えば、Ustream×Twitter×iPhone(Ustream Live BroadcasterよりもTwitCasting)の組み合わせ。
ブログの出現により、無名の個人でも簡単に、誰にでも見てもらえる場所を持つことができた。
それは情報流通の歴史のなかで、革命的なことだった。
しかしついには個人が放映までできる時代になった。
しかもYoutubeと違い、iPhoneを使えば(電波さえあれば)その場で生中継ができる。
個人のブログでもTwitterでもそうだが、最大の弱点として結局一次情報ではなく、
既存のマスコミの流した二次情報をさらに流通させているという点があったが、
きちんと中継できるものさえあれば、
個人が一次情報を映像として簡単に流すことができる点が、今までと違う
(まあ写真でもできたけど、それがいつ撮ったのか、などの問題もなきにしもあらず)。
10年代はTVや新聞以上に、おそらく個人による放送が、世界の異変を伝えていくだろう。
1.Ustで個人が「番組=コンテンツ」になり、Twitterで継続的コミュニケーションがとれる。
YoutubeでもVersaillesというヴィジュアル系バンドがメジャーデビュー前に海外で話題になったり、
ニコ動ではいわずもがなの初音ミクが、アマチュアをプロデビューへと導いている。
一元中継とはいえ、映像の持つ力を考えれば、カメラを変えないベッキー・クルーエルの例もあるように、
Ustream発のミュージシャンやアイドル、果てはお笑いタレントなどが生まれてくる可能性は十二分にある。
Youtubeと違う点は、Twitterでフォロワーを生み出すことが容易で
映像以外の所でも継続的なコミュニケーションが撮りやすいため、ファンを獲得するだけでなく維持しやすい。
さらにいえば、twitterは基本的に似た嗜好の持ち主同士がフォローしあっているので
いわばターゲットが非常に絞られており、効率的に自分というコンテンツを売り出せる点がある。
さらに課金が日本でもしやすくなれば、誰でも有料セミナーを簡単に開くことができるし、
逆に視聴者側からすれば、地方を問わず、様々なセミナーに気軽に参加できるようになる。
特にチャット機能やtwitterを併用すれば、主催者もコメントを読みながら対応できるので、
より視聴者の満足度が高くなる可能性がある。
ちなみにプロジェクタ使ってプレゼンやるときは、
「NO-Ust」マークでも最初に出して「中継すんなよ!」って説明したらいいと思う。
その方がトラブルがないし、中継者以上に視聴者側にもわかりやすくてよい。
ただ、上記のようないわゆるタレント的な活動でなくても、
より気軽に個人が番組を持ち、ネット上の友人らと映像を通じて
コミュニケーションをとれるのは、様々な可能性を秘めている
たとえば以前プログラミングをしてる様子をUstで見たことがあるが、
ペアプログラミングのようなこともできるだろう。
(まあこれはGoogleWaveでもできるだろうし、そっちの方が効率いいだろうが。)
2.テレビ以上に時代の目撃者になる
その現場にさえいれば、ありとあらゆるニュースを、一個人が放映できる。
たとえばハイチの地震でも、その場ですぐ現状を伝えられるし、
極論、政治家同士の密会なんかでもtwitter議員がUstを忍ばせていれば、
不正の証拠を暴き出すことも可能だ(まあ現実的ではないが)。
煽るなら、あらゆるジャーナリスト・芸能記者はスクープ映像を手にしたければ、今すぐiPhoneを持つべきだろう。
生中継のみでなく録画もできるので、フラ○デーなんかがサイトへのパスワードを袋とじにして、
その衝撃映像を限定公開すれば、売上延びるんじゃね? 画質は難だが、返ってリアルかもしれない)
3.史上最強の監視社会の出来上がり
Twitterによる監視社会の到来というのがちょうど出て来たが、
Ustなら生中継できるので、すぐに晒せるだけでなく、
声や慌てふためく様・恫喝する様まで放映できてしまう。
今までもケータイやその他ビデオカメラで撮影した「告発動画」がYou tubeにアップされたりしてきたが、
当然ながらYou tubeにアップするだけでは、なかなか注目はされない。
後述のようにtwitterと連携していることで
(ある程度フォロワー数を持つユーザーが中継することで)、より動画の拡散が速くなる。
そう、ビッグブラザーは僕らだったんだ。
4.情報兵器としてのUst
様々なメリットがあるUstだが、一番怖いのが、これだ。
オサマ・ビンラディンもYouTubeを利用していたが、Ustで自爆テロの様子をそのまま生中継ができてしまう。
テロする本人と、それを中継する人間の2元中継をすれば、威力は高い。
それはWTC崩壊映像に近い衝撃を与えうるだろう。
主にUstreamの凄さをメインにしてきたが、実はUstreamだけでは画竜点睛を欠くのだ。
Ustreamで生中継しているのを、どこでどうやって知るのか?
それがTwtiterだ。
Ustreamは、ライブ動画を始めると、Twitterで告知できるようにする機能が標準搭載されてる。
Twitterはいうまでもなく即時性がウリで、Ustreamとの相乗効果は非常に高い。
またある程度似た嗜好の人間が集まりやすいので、その放送自体に興味を持ってもらいやすいし、
RTされればさらに別の集団に広まりやすい。
特に外でもiPhoneで中継をしながら、twitterのコメントを読みつつ、それにtwitterでもプラスアルファの情報や、
返事ができるというのは、非常に大きな利点となるだろう(フリップ入力なら入力音ないから、声を出さずにすむしね)。
ただ幸か不幸か、Twitterを宣伝媒体としてUstをする場合、いわばフォロワーを担保にしていると言っていい。
当然フォロワー数が多い人の中継の方が、より多くの人に見てもらえる可能性があり、
ネット上の人間関係を捨てる覚悟さえあれば、犯罪行為やら変態生中継も可能だろうが、
なかなかそうもいかないだろう。
ただし逆にニコ生のようにウケ狙いのライブ動画で失敗すれば、非常に炎上しやすいとも言える。
匿名である分、2ちゃんにそういった悪意あるUstのスレが立ちやすい可能性は非常に高いし、
現状でもニコ生で自殺が放送されたり、幼稚園につっこんだりする輩も出現している。
ネットブックよりもさらにiPhoneなら持ち運びが楽(というのも変だがw)だから、より行動範囲が広がる。
さらにフリック入力もできるから、盗撮&そのtwitter中継も非常にしやすい。
結局、怖いのは技術じゃなくて、それを使う人間側だ、っていう無難なオチになるんだが、
さて、Ustream×Twitter×iPhoneは10年代のパンドラの匣となるのだろうか?